いたいけな少女、いたいけな子どもなどという言い方をしますね。
あどけない、幼く可愛らしい様子を指す言葉です。
いたいけは「幼気」とも書きます。
「幼い」はおさない、の他に、いとけない、とも読みます。
いたいけの由来は、「痛い」に「気」で「いたいき」。
それが音変化で転じていたいけとなりました。
それを見ると「心が痛いくらいに」かわいらしいさま。
「気」はようすなどの意味です。
幼いものの愛らしさを表す言葉ですが、小さいものについてもそう表現することがあります。
明治~昭和初期では、可憐と書いていたいけとルビを振る例もありました。
ただあまり一般的ではないようです。
石川啄木の著作にも例が見られます。
植物の美しさを表現するのに用いられており、この場合の意味は文字通り可憐、小さく可愛らしい。
幼いという意味はあまりないようです。