朱肉とは印鑑を押す時に使う赤いインクと、インクをしみこませたスポンジ状のスタンプ台です。
朱肉の語源と由来について調べてまとめました。
はんこを押すインクは、今ではほとんど赤色(朱色、やや黄色みを帯びた赤)ですが昔はそうではありませんでした。
朱色は最も高貴な色、貴重な色だったのです。
また、めでたいお祝いの色でもありました。
朱色は硫化水銀から取れる貴重な色でした。辰砂といいます。
戦国時代になると公文書に朱印を押すのが流行しました。
そういえば、戦国武将の文書はみな赤で印が押してありますね。
この頃も朱色は高貴な人のみが使用する色で、一般の人は黒いインクを使っていました。
還暦を過ぎた人も黒を使っていたそうです。
朱肉の朱は朱色のこと。
肉はといいますと、スタンプ台になっているスポンジ状の弾力のある部分を指してそういいます。
果物のことも「果肉」といいますし、弾力性のある台部分をそう呼びました。
別に動物の肉が使われていたわけではありません。
朱肉の肉部分は、現代では油分と顔料を混ぜ合わせたものをスポンジないしフェルトに染み込ませています。
古い時代は油と顔料を練り合わせて植物繊維に染み込ませ、泥状にしていたそうです。
乾燥させたヨモギの葉などが用いられました。