はなむけ(餞)の由来。
古代に遠くへ旅立つ人に対して、目的地の方角に馬の鼻面を向けて道中の安全を祈願した習慣がありました。
馬の鼻を向ける、はなむけ、です。
平安時代の文献に馬の鼻を向けて旅の安全を祈る描写がしばしば出てきます。
『土佐日記』『伊勢物語』が有名ですね。
餞別も同じ由来になります。
現在は「はなむけ」というと「はなむけの言葉」のように別れの挨拶、激励のニュアンスです。
卒業式で花束を贈呈するからか、「花向け」と勘違いしている人もいます。
平安時代のはなむけは餞別により近く、皆で集まって馬の鼻を向ける様子は、送別会といってもいいのではないでしょうか。